ウェブ川柳天守閣

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2024年5月度の感想を表示します。

日 付:2024-05-22
投稿者:真鍋心平太
句:あれで良かったのかと振り返る介護  信子
 この句を見て母を介護したときのことを
思い出しました。
といってもほとんどは家内がやってくれた
のですが・・・。
 一縷の望みに縋って東京まで丸山ワクチンを
貰いに行ったこと、付き添いで泊まった病室
から深夜に見えた通天閣の灯や、歩けなくな
った母の車椅子を押したことなどが思い出さ
れます。一生懸命やったつもりでも残るのは
この句のとおりで、介護のときだけではなく、
一緒に暮らしたときにあれもこれもしておけ
ば良かったと悔いばかりが残っています。


日 付:2024-05-22
投稿者:真鍋心平太
句:吊るされた奇妙な果実血の涙  平川柳
 こういう句には普通の句会ではまずお目にかかれない。
ウェブ川柳天守閣に雑詠を設けて良かったと思った次第。
 
 Strange Fruit(奇妙な果実)は1939年にビリーホリディが初めて
演奏しのちにニーナー・シモンがカバーした曲である。
テキサス州の白人専用の病院で治療を拒否され、39歳で亡くなった
ビリー・ホリディの父を歌ったものである。
「吊るされた果実」とは吊るされ太陽の下で腐っていく黒人の遺体を
描写したものである。
 幸いなことに血の涙を流すような事態は今日比較的少なくなりつつ
あるがほんの数十年前までは世界中で日常茶飯事であったこと、
今もそれは無くなってはいないことを忘れないようにしたいものである。



日 付:2024-05-25
投稿者:武智三成
句:老老介護湯船に浮かぶ愚痴ひとつ  林ともこ
 投稿者自身まだ介護者の序の口です。妻がデイサービス週二回、私が訪問介護を
月二回受けています。
 妻は脳梗塞,心臓病発病 今も胸にペースメーカー 左ふくらはぎ人口骨筋力不足で折々転倒入院等々。
 秋には87歳なる。老々夫婦これからの坂道を口喧嘩しながら登っている。
少し大げさでしたが下町を見回しても日本の縮図である。100歳時代もあり得る、そう遠くではない、そんな大変な社会が眼前に見える。面倒を見る子供たちに苦労が押し寄せている。それぞれの句に内在している。もう一度風景見回してみよう。我が家に訪問介護の女性が母親の介護で退職した。五月のことである。