ウェブ川柳天守閣

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2023年12月度の感想を表示します。

日 付:2023-12-21
投稿者:真鍋心平太
句:シチュー鍋悔し涙が溶けている  直子
 いろんな味が溶け込んで、そのハーモーニーを味わうのがシチューである。もちろんそれはシチューに入れた色々な材料のことなのだが、この句を読んだときこれはシチューを「食べている自分の悔し涙」なのだと思った。
 料理には隠し味というものがあるが、一番最後に入る隠し味はその時々の自分自身の思いなのだと気づかせてくれる句だ。


日 付:2023-12-21
投稿者:真鍋心平太
句:妻の乱コーヒーだけが暖かい  江崎紫峰
妻が怒ると夫は弱いものだ。食事も洗いものも
自分では出来ないので自然と妻の顔を覗うようになる。
娘の孫が「ママの機嫌が悪い時はパパがおどおどしてる」と言ったのが何となく可笑しかったのだが、それは自分にもあてはまることだと気付き、
あの小さかった自分の娘が、もうそんな風に成長し暮らしているのかと思うと、妻の乱の中でのこのコーヒーの暖かさが身に沁みてきた。



日 付:2023-12-29
投稿者:波部珀兎
句:生きづらいけれども暖かいこの世  真鍋心平太
本来、日本は四季があり平和とされて来た国であったが昨今は長いコロナ禍もあり温暖化や物騒な事件も目立ち、物価も上昇して残念な事に住み難い世の中が続いています。
とはいえ、あの世に比べたとしたら実際死後の世界ってどんな物なのかは未知ですが
現在この世に生命を授かり
同じ時代に皆さんとのご縁もありこうして川柳をしている事も含めて暖かい!
流石素敵な一句です。


日 付:2023-12-29
投稿者:波部珀兎
句:大晦日暖とる間なし年明ける  勘兵衛
師走は何かと忙しい日々…仕事納めで"お疲れ様"と少しホッとした矢先、お正月に親戚の人を迎えるとかもあるのか?
家の用事も沢山残っていてゆっくり暖まる暇もなく大掃除や男手だからこそ重たい物の買出し等と
しんどいとか寒いなぁ〜と言ってもおられずに
バタバタ動いて手伝っている内にやっと準備が整った所でヤレヤレと気が付けば…
もう明けて元旦を迎えると言う慌ただしい毎年の暮の情景が良く解ります。
上手く表現されていて私は1番良い句に選ばせて戴きました。


日 付:2023-12-29
投稿者:波部珀兎
句:ビールからぬる燗にする十二月  武智三成
夏の暑い日に飲む良く冷えたビールは喉越し最高でとても美味しいです。近頃は暖冬とはいえ
12月にもなれば冷たいビールよりも
やっぱり人肌のぬる燗が良い!お酒好きには身心共に優しい?
宅飲みでもそうですがお店で注文するとしても…
例えば、三成さんビールにされますか?
ちょっと外寒かったからお酒にしようかな?…あっぬる燗貰おうかな〜という感じに(笑)
熱燗じゃなくぬる燗だと言う通なところも
共感する好きな一句に選ばせて貰いました。