2025年10月度の感想を表示します。
| 日 付:2025-10-27 |
| 投稿者:真鍋心平太 |
| 句:この星の辺境にコウロギと住む 秋田あかり | |
| スケールの大きな視点が良いですね。「この星の辺境」という言葉に、孤独や静寂、そして自然との共生がにじみます。コウロギという小さな生命と同居することで、「人間の小ささ」と「生きることの普遍」が見えてきます。詩的な一句ですね。
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| 日 付:2025-10-27 |
| 投稿者:真鍋心平太 |
| 句:雑談の途中の尿意目が泳ぐ 久世高鷲 | |
| 誰もが経験しながら言葉にしない瞬間を川柳にしたセンスを頂きました。他所の句会ではみかけないこういう句をウェブ天守閣は大切にしたいと思います。
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| 日 付:2025-10-27 |
| 投稿者:真鍋心平太 |
| 句:限界の筈だが本を読む噂 武智三成 | |
| 「限界」と「本を読む噂」という組み合わせが独創的で、人間のしぶとさや希望を三成さんらしい言葉で描かれました。
御歳93歳の三成さんの心意気が詩になりました! | |
| 日 付:2025-10-27 |
| 投稿者:真鍋心平太 |
| 句:深呼吸そっと魂触れてくる 直子 | |
| 魂って何処にあるのでしょうか。胸のうち?、それとも意識する頭の中?あらためて聞かれると戸惑う魂を、「深呼吸をしたらむこうからそっと触れてくる」と言うのです。
「そっと」が秀逸、そうかやっぱり胸の中に居てくれたのかと得心出来ました。 | |
| 日 付:2025-10-27 |
| 投稿者:真鍋心平太 |
| 句:矢のように過ぎる日々にも彩が 秋山加代子 | |
| この歳になると毎日が矢のように過ぎていきます。それを「無常」「悲観」で終わらせず、今を生きる喜びと感謝に転じた前向きな姿勢を頂きました。
振り替えれば、「過ぎた日々にも」彩があったことが分かりますねl | |
| 日 付:2025-10-28 |
| 投稿者:真鍋心平太 |
| 句:煮込むほど家族になっていくおでん 秋田あかり | |
| 共に過ごした長い年月をおでんの鍋の中に凝縮した一句ですね。煮込まれて「家族になった」おでんを一緒にいただく時間が至福のときです。
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| 日 付:2025-10-28 |
| 投稿者:真鍋心平太 |
| 句:様々な家族のかたち茄子キュウリ 秋山加代子 | |
| お盆の精霊馬ですね。そこに「様々な家族のかたち」を重ねた発想が深い。
“現代の家族の多様性”を優しく肯定しており、宗教性を超えた温もりがあります。伝統と変化の調和を、野菜という素朴な題材で見せたのが巧み。 | |
| 日 付:2025-10-28 |
| 投稿者:真鍋心平太 |
| 句:ファミレスのハンバーガーになる家族 小林満寿夫 | |
| 代社会を象徴、強烈な比喩の一句。
ファミレスは現代の家族の均一化・簡略化・同質化された空間、そこで家族がみんな同じく均一化・簡略化・同質化されたハンバーグになると言っているのです。一読して黙するしかありません。 | |
| 日 付:2025-10-28 |
| 投稿者:真鍋心平太 |
| 句:取りあえず帰りの時間おしえてね 信子 | |
| 平凡な言葉の中に、**見守る人の優しさと、現代家族の距離感(LINEで済むやりとりのような淡さ)**が共存しており、まさに今の時代の家族像が捉えられています。
さりげないけど奥の深一句。 | |
| 日 付:2025-10-28 |
| 投稿者:真鍋心平太 |
| 句:次郎すら居ない昨今核家族 加山勝久 | |
| かつては「太郎」「次郎」という兄弟名が当たり前だった。家族が複数人いてこそ「家庭」でした。その時代と現代の家族との対比を「次郎すら居ない」と表現されたのが秀逸。
結句「核家族」は説明的でありながらも、ここでは時代の現実を突きつける象徴として機能しており、むしろその硬さが句の骨格を支えています。 | |