2024年6月度のコメントを表示します。
日 付:2024-06-22 |
投稿者:真鍋心平太 |
タイトル:会話体の川柳 |
平 川柳 様
「現代川柳の詩学」の連載、ありがとうございます。今月の「会話体の川柳」の技法も参考になりました。 そう言えば、やらせて頂いているNHK学園通信添削講座の会員の方の句で、亡くなられたお兄さんを偲ぶ句で 達者でな写真の兄が笑ってる というのがありました。上句の「達者でな」はまさに会話体です。しかも亡くなったお兄さんからの語りかけです。こういうふうに使えばより効果的だと言う感じがします。 使い方によって「会話体の川柳」は絶大な効果を発揮しそうです。技法として覚えておくべきだと再認識しました。 ありがとうございます。 |
日 付:2024-06-23 |
投稿者:平川柳 |
タイトル:会話体の川柳の鑑賞について |
真鍋心平太さんの会話体の川柳についてのご感想ありがとうございました。会話体の川柳は柄井川柳の選句集『誹風 柳多留』に収録した川柳の中で特に四篇以降、入選句に多く見られる技法で、柄井川柳の選句基準の重要な要素になっています。この要素は篇が進むにしたがって多くなっていきました。その結果、川柳の選句基準から「前句」の題から離れ、一句独立した短詩形の独立句が誕生していきます。そして形式を重んじる発句の「外在律」の「五七五」から作者の心情を重んじる「十七」音を定型とする「内在律」に変化していきます。
「前句」の題(七七)から独立するということは川柳という文芸が「七七」の前句附から離れ、「五七五」の詩形から次第の離れていく傾向を生んでいくことになります。柄井川柳はこうした会話体の入った句を入選句にしたのは会話体がその時代に生きた人間の生の心情が見事に表現されているからです。 真鍋心平太さんが例句にあげられているように現代川柳にもこうした会話体は川柳の技法として脈々と引き継がれ、効果を上げる技法になっているといえます。「内在律」は意味の切れ目で読む川柳の定型律です。 |