2024年11月度のコメントを表示します。
日 付:2024-11-17 |
投稿者:平川柳 |
タイトル:題詠「水晶」の軸吟について(平 川柳) |
題詠の軸吟「水晶の夜にユダヤの曼殊沙華」
11月の題詠の選者・平 川柳です。軸吟について少しお話したいと思います。 1938年11月9日~10日の未明にドイツ各地で「クリスタルナハト」(水晶の夜)といわれる反ユダヤ主義暴動がおこりました。この日、ユダヤ人の住居する住宅地域が次々と襲撃・放火され、多くのユダヤ人が殺害されました。この事件が「水晶の夜」という名称で呼ばれるようになったのは破壊された店舗のガラスが月明かりに照らされて「水晶」のようにきらめいていたことに由来します。この事件がきっかけとなり、後にドイツのユダヤ人の迫害が急速に進み、ユダヤ人の大量虐殺(ホロコースト)への道をまっしぐらに突き進んでいきました。「水晶の夜」を詠んだ私の軸吟はこの事件で殺害されたユダヤ人のおびただしい血を吸い、あたり一面、ユダヤの地に真っ赤な「曼殊沙華」が咲き乱れる心象風景を描いたものです。「曼殊沙華」は殺害された多くのユダヤ人の「メタファー」(暗喩)として表現してみました。 |